哺乳類『カモノハシ』
哺乳類とひとことでいっても実に多様ですが、中には「カモノハシ」のように"哺乳類らしくない哺乳類"もいます。
オーストラリア東部に生息するカモノハシは、哺乳類なのに卵から生まれ、鳥のようなクチバシや水かきがあり、爬虫類のように体温調整が苦手です。
それでも哺乳類に分類されているのは、授乳するからなのです。
ただ、乳首がないため、おなかの皮膚や体毛から汗のように染み出す母乳を子どもに舐めさせて育てます。
哺乳類と呼ぶにはいろいろと突っ込みどころが多いため、カモノハシのはく製を初めて見たヨーロッパの人々も、「これは、カモとビーバーを縫い合わせた作り物では…⁈」とざわついたといいます。
「カモの変種か⁈」「ワニに近い⁈」などと生物学界で長年物議を醸してきたカモノハシですが、その起源は古く、約1億5千万年前の恐竜時代に出現して以来、姿がほぼ変わっていないといわれています。
19世紀に進化論を唱えたダーウィンは、著書『種の起源』の中でカモノハシを「生きた化石」と呼んでいます。
カモノハシの生態はいまだ謎が多いといわれますが、そのルックスは愛嬌のあるほっこり系。
ただ、オスのカモノハシの蹴爪は毒ヘビの牙に似ていて猛毒があるのだとか。
カモ、生きた化石、毒ヘビ…とさまざまな特徴を持つカモノハシは、やはり"哺乳類らしくない哺乳類"の筆頭といえるのかもしれません。
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